隠れ家にもほどがある…
入り口の扉に取っ手がなく、中から開けてもらわなければ開かないわけじゃない。
扉に暗証番号を入力する鍵がかかっているわけでもない。
表向きは洋菓子店で、裏口に回ると本当の入口があるわけでもない。
そもそも、ここが本当にお店なのかどうかも、わからないのである。
住所を確認すると、たしかにここがそう。
普通の家の…いえ、ちょっと上品な家の玄関、そんな佇まい。
勇気を出して扉を開けて「こんばんは〜」。
そして次に瞬間に、「あら、どちら様?」なんて、和服を着た女性が出てきて首をかしげる…
そんなことにでもなれば、「間違えました、すみませ〜ん!」…
まるで新入社員の時、飲み会のときの上司からの指示、
「このスナックビルの中で、一番かわいい子がいるお店を見つけて来い!」
と命じられて、上から順番にお店のドアを開けて、店内を見渡す…
「すみませ〜ん、待ち合わせなんですけど…あ、間違えました!」
ってやつ、またアレをやるのか?
(今なら完全にパワハラものですよねぇ)
そんなアホな妄想をしながら、躊躇なく扉を開けると…
厨房を囲むようにカウンター席がピシッと並ぶ。
お店に入った瞬間に背筋が伸びる…それが第一印象。
お邪魔させていただいたのは、西天満にひっそりと佇む隠れ家“松弥”さん。
何でもこちらのお店、むちゃくちゃ予約が取りにくいことでも有名なのだとか。
幸せなことに、すでに予約をとっていた友人のお誘いいただき、お邪魔させていただくことが出来ました。
お品書き等は一切なく、メニューはお任せのみ。
もっとも、予約のときに伝えれば、出来る範囲で食べたいものを加えていただくことも出来るのだそう。
黙々とカウンターの中で準備を整える大将。
その周りをお弟子さんたちがキビキビと動いているのが見える。
こういう緊張感も時には心地よい。
「では、始めましょうか。」
と、ここで大将が笑顔になる。
その途端、客席の方には和やかな空気が流れ始めるから不思議だ。
(厨房の中は、以前緊張感が漂って入るのだが)
最初の料理は、きのこ。
これは、秋田県の「巾着椎茸」という椎茸。
世界遺産で知られる白神山地で取れるものなのだとか。
肉厚で旨味があり、しっかりした食感も楽しめる。
この日は仲間が持ち込んだワインを楽しませていただいたが、日本酒にもバッチリと合いそう。
お皿の上ににぎやかに並ぶのは、
子持ち鮎、うるか、鯖寿司、菊花の白和え。
どれも仕事がすごくきれい。
じっくりと味わって、お店の雰囲気も楽しむ。
料理もそうだが、場の空気、雰囲気が最高なのです。
そして次の料理は椀物。
山の恵がタップリのきのこと、真ん中には銀杏の葛豆腐。
何気なく、葛豆腐をいただいてみると、後から銀杏の風味がふわぁっと口の中に広がってゆく。
これ、凄い!
これ以上香りが強くなると、銀杏の風味しかしなくなるギリギリのところで仕上がっている。
そうすることによって、きのこの香りと旨味も存分に楽しむことが出来るのでしょうね。
見た瞬間に凄いとわかる、迷い鰹。
トロ鰹の中でも、特に希少とされるのがこの「迷い鰹」。
日本海の冷たい海で身質が締まり、旨みが凝縮されて芳醇な香りと上品な脂をも兼ね備えているのだとか。
刺身を醤油につけた瞬間、ぱっと浮かび上がる脂。
思わず笑みがこぼれます。
目の前の厨房では、この日のスペシャリテが準備されているのが見えます。
もしかして、今シーズン初?
しかも、足にはタグも付いている…
焼きガニにしていただいた、松葉蟹。
最初はもちろんそのままで、そして後半は少しだけ酢橘を絞っていただきます。
この甘味と旨味のバランスって、言葉にすることが出来ません。
甲羅で軽く焼いた味噌。
蟹味噌って、そのカニの持つポテンシャルがストレートに表れると思います。
さすがのスペシャリテ、凄いですね〜。
これ一つあれば、お酒が1升空いてしまうかもしれません。
鱈の白子、このわた 。
海鮮って、取れた現地に近いほど、鮮度が良いほど美味いに決まっている…
でも、できるだけ鮮度を保ち、しかも食材の状態とポテンシャルに合わせて調理すればこんなにも凄いことになる。
実感させていただきました!
海老ときのこと青菜。
きのこを合わせるのが本当に見事!
そのままいただく、葛豆腐と合わせる、そして海老にも。
こういう組み立てを味わえば、季節ごとに通いたくなる気持ちもわかります。
ごはんは、先程の松葉蟹を使った蟹ごはん。
土鍋を使って炊き上げたものをいただきます。
米は艶々に立ってる、そこに蟹の旨味が入り込んで、食べるとかなり幸せな気持ちになれます。
西天満の隠れ家和食「松弥」さん。
もしも機会があれば、是非行ってみてください。
ちょっと贅沢に…
至福のひとときを過ごすことが出来ます。
【松弥】
住 所:大阪市北区西天満4−2−7 MAP
電 話:06-6367-0570
営業時間:18:00〜21:30
煙 草:禁煙
定休日:不定休
駐車場:なし(お店の近くにコインパーキング有り)
※定休日等、変更になっている場合がありますので、必ず事前に確認してください。
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美味しいお店情報、ご意見、ご要望等ございましたら、下記までご連絡くださいね!
Mail:hitoshi.o.saichan@gmail.com
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入り口の扉に取っ手がなく、中から開けてもらわなければ開かないわけじゃない。
扉に暗証番号を入力する鍵がかかっているわけでもない。
表向きは洋菓子店で、裏口に回ると本当の入口があるわけでもない。
そもそも、ここが本当にお店なのかどうかも、わからないのである。
住所を確認すると、たしかにここがそう。
普通の家の…いえ、ちょっと上品な家の玄関、そんな佇まい。
勇気を出して扉を開けて「こんばんは〜」。
そして次に瞬間に、「あら、どちら様?」なんて、和服を着た女性が出てきて首をかしげる…
そんなことにでもなれば、「間違えました、すみませ〜ん!」…
まるで新入社員の時、飲み会のときの上司からの指示、
「このスナックビルの中で、一番かわいい子がいるお店を見つけて来い!」
と命じられて、上から順番にお店のドアを開けて、店内を見渡す…
「すみませ〜ん、待ち合わせなんですけど…あ、間違えました!」
ってやつ、またアレをやるのか?
(今なら完全にパワハラものですよねぇ)
そんなアホな妄想をしながら、躊躇なく扉を開けると…
厨房を囲むようにカウンター席がピシッと並ぶ。
お店に入った瞬間に背筋が伸びる…それが第一印象。
お邪魔させていただいたのは、西天満にひっそりと佇む隠れ家“松弥”さん。
何でもこちらのお店、むちゃくちゃ予約が取りにくいことでも有名なのだとか。
幸せなことに、すでに予約をとっていた友人のお誘いいただき、お邪魔させていただくことが出来ました。
お品書き等は一切なく、メニューはお任せのみ。
もっとも、予約のときに伝えれば、出来る範囲で食べたいものを加えていただくことも出来るのだそう。
黙々とカウンターの中で準備を整える大将。
その周りをお弟子さんたちがキビキビと動いているのが見える。
こういう緊張感も時には心地よい。
「では、始めましょうか。」
と、ここで大将が笑顔になる。
その途端、客席の方には和やかな空気が流れ始めるから不思議だ。
(厨房の中は、以前緊張感が漂って入るのだが)
最初の料理は、きのこ。
これは、秋田県の「巾着椎茸」という椎茸。
世界遺産で知られる白神山地で取れるものなのだとか。
肉厚で旨味があり、しっかりした食感も楽しめる。
この日は仲間が持ち込んだワインを楽しませていただいたが、日本酒にもバッチリと合いそう。
お皿の上ににぎやかに並ぶのは、
子持ち鮎、うるか、鯖寿司、菊花の白和え。
どれも仕事がすごくきれい。
じっくりと味わって、お店の雰囲気も楽しむ。
料理もそうだが、場の空気、雰囲気が最高なのです。
そして次の料理は椀物。
山の恵がタップリのきのこと、真ん中には銀杏の葛豆腐。
何気なく、葛豆腐をいただいてみると、後から銀杏の風味がふわぁっと口の中に広がってゆく。
これ、凄い!
これ以上香りが強くなると、銀杏の風味しかしなくなるギリギリのところで仕上がっている。
そうすることによって、きのこの香りと旨味も存分に楽しむことが出来るのでしょうね。
見た瞬間に凄いとわかる、迷い鰹。
トロ鰹の中でも、特に希少とされるのがこの「迷い鰹」。
日本海の冷たい海で身質が締まり、旨みが凝縮されて芳醇な香りと上品な脂をも兼ね備えているのだとか。
刺身を醤油につけた瞬間、ぱっと浮かび上がる脂。
思わず笑みがこぼれます。
目の前の厨房では、この日のスペシャリテが準備されているのが見えます。
もしかして、今シーズン初?
しかも、足にはタグも付いている…
焼きガニにしていただいた、松葉蟹。
最初はもちろんそのままで、そして後半は少しだけ酢橘を絞っていただきます。
この甘味と旨味のバランスって、言葉にすることが出来ません。
甲羅で軽く焼いた味噌。
蟹味噌って、そのカニの持つポテンシャルがストレートに表れると思います。
さすがのスペシャリテ、凄いですね〜。
これ一つあれば、お酒が1升空いてしまうかもしれません。
鱈の白子、このわた 。
海鮮って、取れた現地に近いほど、鮮度が良いほど美味いに決まっている…
でも、できるだけ鮮度を保ち、しかも食材の状態とポテンシャルに合わせて調理すればこんなにも凄いことになる。
実感させていただきました!
海老ときのこと青菜。
きのこを合わせるのが本当に見事!
そのままいただく、葛豆腐と合わせる、そして海老にも。
こういう組み立てを味わえば、季節ごとに通いたくなる気持ちもわかります。
ごはんは、先程の松葉蟹を使った蟹ごはん。
土鍋を使って炊き上げたものをいただきます。
米は艶々に立ってる、そこに蟹の旨味が入り込んで、食べるとかなり幸せな気持ちになれます。
西天満の隠れ家和食「松弥」さん。
もしも機会があれば、是非行ってみてください。
ちょっと贅沢に…
至福のひとときを過ごすことが出来ます。
【松弥】
住 所:大阪市北区西天満4−2−7 MAP
電 話:06-6367-0570
営業時間:18:00〜21:30
煙 草:禁煙
定休日:不定休
駐車場:なし(お店の近くにコインパーキング有り)
※定休日等、変更になっている場合がありますので、必ず事前に確認してください。
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