吾輩は猫である 名前はまだない。 どこで生まれたか見当がつかぬ・・・。

これは夏目漱石の有名な小説、「吾輩は猫である」の冒頭、
言わずと知れた、夏目漱石のデビュー作。

夏目漱石といえば、坊っちゃんのイメージが強く、松山出身だと思っている方も少なくないようですが、
牛込馬場下横町(現在の東西線早稲田駅と大江戸線の牛込柳町の間くらいの地域)の生まれだそうです。

1890年には東京帝国大学(現:東京大学)に入学し、その後学校の先生になり、そのときに松山の学校にも赴任したのだとか(坊っちゃんはその時のことがモデルになっているのですね)

そんな漱石が38歳のときに発表したのが「吾輩は猫である」。
その後、「坊っちゃん」「こゝろ」「三四郎」などを次々に発表し、没年齢は49歳。
わずか10年ほどの間に、あれだけの名作を世に送り出した夏目漱石が愛してやまなかった洋食があるのだとか。

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それは「洋風かきあげ」。

少し考えてみれば、ありそうな気もするけれど、どんなものなのか全く想像できない。
というわけで、夏目漱石が愛した「洋風かきあげ」を食べることが出来るお店、
淡路町にある“松榮亭”さんに行ってきました。

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何も知らなければ、ごく普通の洋食屋さんに見えますよね。
こちらのお店で、「洋風かきあげ」をいただくことが出来るのです。

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   since1907

つまり、明治40年の創業。
(わ〜ホンモノだ!)

情報によると、洋風かきあげは、ランチメニューとかのセットにはなく、単品のみだと聞いていたのですが、ちゃんランチメニューにあるみたいですよ。

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店内は、2人テーブルが5卓、4人テーブルと6人テーブルがそれぞれ1卓ずつ。
入ってきたお客さんの人数に合わせて、いずれの席もアレンジできるようになっています。

注文はもちろん、洋風かきあげのランチ。
笑顔が素敵な話好きの女性店員さんが注文を聞いてくださいます。

厨房の中には、店主と思われるシェフが一人。
黙々と料理を作り始めます。

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創業1907年。かの文豪が愛し続けた、暖かな味わいがここにある。

     ようこそ、松栄亭へ。

現在の店主は4代目。
ドミグラスソースやマヨネーズ、漬け物に至るまで自家製にこだわっているのだとか。

そう、表紙の裏に書いてあるメニューを眺めながら、料理が出来上がるのを待ちましょう。

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名物の洋風かきあげをはじめ、ビーフシチュー、ハンバーグ、ポークソテーなどの洋食の王道がシッカリとラインナップされています。

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ハヤシライス・・・ここで食べたら美味しいんだろうな。
洋食屋さんのカレーにも興味が出てきたぞ・・・あれ、カツ丼なんてメニューもあるんだ。
ところでこの、緑の付箋で目隠しされているメニュー・・・
いかん、いかん!でも気になる。
何とかライスだよな・・・(福神漬け添えって書いてあるし)

そんな妄想に走っていると、先にスープが運ばれてきました。

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カップに入って提供される、熱々のコンソメスープ。
一口飲んで、「うわっ、美味っ!」というタイプではなく、じわじわと旨味が染み込むタイプ。
飲んだあとも、決して喉が渇くような感じにはならない優しい味わいが魅力ですね。

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そしてお待ちかね、洋風かきあげも出来上がってきました。
お皿にもられたライスも何だか嬉しい。
久しぶりに、フォークの背中にライスでも乗っけてみるか?(やりませんけど^^;)

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洋風かきあげは、一見オムレツをこんがりと揚げ焼きしたような感じ。

「先ずはそのまま食べてみてください、そして、味が薄く感じたらこちらのソースとかかけても美味しいですよ。」とのこと。

では、ナイフとフォークを使って切ってみましょう。

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ほほぉ・・・。
店内にあるパネル、洋風かきあげのことが書いてあるものを読んでから見ると、確かにそのとおりですね。
そこには、こんな感じのことが書いてあります。


松榮亭の看板メニュー。
夏目漱石のために、肉、玉葱、卵、小麦粉というあり合せの材料でつくられた一品。
今現在も親しまれている松榮亭オリジナルの洋食です。

材料と作り方。
かき揚げのたねを作ったあとに、フライパンにラードを1cmくらいの高さ入れて、揚げ焼きにして、周りが白っぽくなってきたら、半分に折りたたみ、かき揚げがかぶるくらいにラードを足して、十分ほどゆっくりと揚げる・・・。

では、早速いただきます。
先ずは、何も付けずにそのままで・・・。

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表面はカリッと、中はふんわり柔らかい。
こちらも、優しい味わいで素材の旨味を感じることができますよ。

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テーブルの上に置いてある、ウスターソースを軽くかけてみましょう。
オムレツにウスターソースをかけて食べたときのことが思い出されます。

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おぉ!
この味わいは懐かしい。
昭和の時代、 こういうのを食べたこがあるような・・・。
これに、ご飯を合わせるとあの頃の記憶が蘇ります。

おぉ、ご飯の炊き加減もいい感じですね。
何てことないようですが、大事なことがきっちりとなされている。
それが心にしみてくるから嬉しくなってきますよ(^^)

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添えてあるキャベツにも、ウスターソースをちょっとかけていただきます。
これもまた、いいですね〜。

シッカリと味わいを守る、正統派洋食。
こうなると、いろんな料理を食べてみたくなってきます。

今の季節ならばカキフライでしょうか?
それとも、ドミグラスソースタップリのハンバーグ。
いずれにしても、この近くによったときには、お邪魔してしまいそうです。

かの文豪が愛し続けた料理、ぜひ味わってみてくださいね。





【松榮亭(しょうえいてい)
住 所:東京都千代田区神田淡路町2−8    MAP
電 話:03-3251-5511
営業時間:11:00〜14:00  17:00〜19:30
煙 草:完全禁煙
定休日:日祝
駐車場:なし(お店の近くにコインパーキング有り)




※定休日等、変更になっている場合がありますので、必ず事前に確認してください。


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