料理は文系理系か?

そんな議論で盛り上がったことがあります。

季節に応じた素材を使って、起承転結を付け、食べる人の心を堪能させる。
そう、どこか小説を読むような感じに似ていませんか?

そして、その料理を食べた味わい、印象は、その時に自身が置かれた状況をも一緒に記憶の中に刻み込まれる。

想い出深い料理を食べると、その時の情景や感情なども一緒に思い出すことってありますよね。音楽と同じような感じでしょうか。

そう考えると、料理は文系か?

かと思えば、足し算の料理、引き算の料理というものもあるといいますね。
計算の世界、理系・・・。

日本料理は、素材の持ち味を引き出し、素材本来の味を楽しむ料理で、
そういう意味では、引き算の料理と言われています。

そして、西洋料理は、味付けやソースを楽しむ料理。
特にフランス料理はソースが命で、そのためおいしい味付けのために、各所香辛料や調味料、材料を混ぜ合わせる料理が多く、足し算の料理と言われます。

同じく、中華料理も足し算の料理と言われることが多いですよね。

そんな中華料理ですが、先日お伺いしたお店のそれは、「これ、引き算の料理ですよね?」って思わず思ってしまうような見事なものでした。

さて、京都には6つの花街があるのをご存知でしょうか?
舞妓さんや芸子さんが行き来する街、
祇園甲部、祇園東、嶋原、先斗町、宮川町、上七軒。

そんな街並みが並ぶのも京都の魅力のひとつですよね。

この日は、そんな花街のひとつ、上七軒に行ってきました。
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 糸仙

しばらく街並みを楽しんだ後、この日の目的のお店、
“糸仙”さんに到着です。
糸仙 糸仙

こちらのお店、いつもは大きな暖簾が出ているらしいのですが、暖簾が出ていませんね。
どうやら、この日は私達を含めて、予約で満席のようです。

店内の1階は、カウンター席と小上がりの座敷席が。

そして、2階は個室の座敷になっています。
この日は、2階のお座敷に通していただきました。

お座敷と行っても、さすがは上七軒の広東料理の店。
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回転式の丸いテーブルが真ん中に置かれてありますよ。

この日はおまかせで料理をお願いしましたので、何が出てくるか、ワクワクしながら待つことが出来ますね。
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因みに、メニューはこんな感じです。
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これ、見てみてちょっとびっくりなのです。
京都、花街のお座敷広東料理のお店で、このお値段!
街並みやお店の出で立ちだけでなく、おしながきも昭和のまま。
何だか嬉しくなりますよね(^^)

料理が出てくるまで、しばしの時間、ビールでも飲みながら待ちましょうか。

しばらくすると、階段を登る足あとがして、座敷の扉が開きます。

「お待たせしました、焼き豚とクラゲの酢の物です。」

とろけるチャーシューではなく、昔ながらの焼き豚って感じです。
それでは早速いただきましょう。
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美味しい!
美味しいんですよ。
ただ、一口食べてすぐに「美味っ!」って感じではなく、じっくり美味しい。
そんな感じです。
なんというのでしょうか、素材の旨味を感じる。
そんな感じでしょうか?
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クラゲの酢の物も、最初は少し物足りなく感じるような薄味なのですが、
噛み締めていくごとに幸せな気持ちになれるような旨味がありますよ(^^)

続いて、春巻き。
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普通の中華屋さんにある春巻きとは明らかに違いますね。
一口サイズに切り分けて頂いてます。
では早速、いただきます。

美味い(^^)(^^)
サクッと軽い食感。
でも、すごく美味しいですよ(^^)
そして、ビールも。

これは、春巻きのこってりをビールで流すというよりも、春巻きの味わいをビルの旨味と合わせるという感じで楽しめますよ(^^)


そして、フカヒレスープ。
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わ、これ美味しい!
これ、いくらでも飲めそうですよ(^^)(^^)

じっくり効く旨味にレンゲを進める手がたまらなくなりますね。
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そして、小海老のチリソース。
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優しいけれど、しっかりエビチリの旨味が味わえます。

プリップリの海老がすごく嬉しい(^^)(^^)
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この辺りで、ビールから紹興酒に切り替えましょうか。
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お燗にしていただき、砂糖はなしで楽しみます。

青椒肉絲もいい感じ。
肉の旨味と野菜のシャキシャキ感、このバランスが嬉しいですね。
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そしてこちらは、かしわの玉子焼き。
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ふわふわ玉子の中に、しっかりと鶏肉がゴロリ。
食べごたえもあって美味しいですよ(^^)(^^)

そして今度の海老は、小海老の天ぷら。
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サクッ、プリッ、旨味がジュワァ(^^)(^^)
ついつい手が出てしまいますね。

そしてこちらが糸仙さんのもう一つの人気メニューである酢豚です。
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普通の酢豚に比べて味が薄いように感じますね。
これも、こちらのお店の特徴のひとつ。

食べてみると、これがまた深い味わいなのですよ(^^)(^^)
酢の味を前面に出しているのと違って、こちらの酢豚は、豚肉の旨味をくわせる酢豚。
まさに、引き算の中華の本領発揮。
そんな感じです。

玉ねぎもピーマンも人参も入っていません。
あるのは豚肉と、パイナップルのみ。
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酢豚にパイナップル。
許せない人もいらっしゃるかと思いますが、こちら、糸仙さんのものは美味しくいただけると思いますよ。

そして、〆は揚そばで。
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野菜がたっぷりのあんかけでいただきます。

最初はパリっとしたそばの食感を味わえ、段々餡にそばが馴染んできて、しっとりと。
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一皿で二度美味しい逸品だと思います。

しっかり堪能させていただき、お店を出る頃には、すっかり雰囲気を変えた上七軒の街並みがいい感じでした。
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引き算の中華、はじめて味わいましたが、忘れられないようになりそうです。
京の街で本物に出会い、充実したひとときを堪能してみませんか。
ここはかなりお値打ちですよ!



【糸仙】   
住所:京都市上京区真盛町729-16    MAP     
電話:075-463-8172   
営業時間:17:30~20:30(L.O)   
煙  草:
定休日:火曜日
駐車場:なし(近隣に駐車場あり)      


※定休日等、変更になっている場合がありますので、必ず事前に確認して下さい。

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糸仙

夜総合点★★★★ 4.2



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