気仙沼の街を歩いていると、目に留まる存在感の建物がある。

『男山本店』の魚町店舗。
ここでは、気仙沼の酒「男山」をはじめ、「美禄」、「蒼天伝」を購入することが出来る。
1930年、昭和初期に建てられたのだという木造3階建の建物なのだが、そんなに古くは見えない…
というのもこの建物、東日本大震災により被災して3階部分を残して倒壊してしまったのだとか。
今あるこの建物は、残された3階部分のパーツを手掛かりに見事再構築されたものなのだという。
普通では考えられないことを実現する。

そんな『男山本店』が2006年から行っているのが、純米酒「蒼天伝」の海中貯蔵。
気仙沼の海に1年間沈めて熟成させる取り組みを行い、体験ツアーも行われている。

ツアー参加者がそれぞれの想いが短冊に綴られる。
それを四合瓶にくくりつけ、特殊な加工が施された袋に瓶を入れて封をすれば準備完了だ。

そして向かったのは気仙沼からクルマで15分くらいのところ、唐桑町にある「宿舞根漁港」。

ここから船に乗せて熟成場所である海の中へ運ばれる。

お世話になるのは「第八十八海宝丸」と船長のやっくん…
唐桑のやっくんこと、畠山政也さん。
実はこの方、気仙沼の恵みをたっぷりと蓄えた牡蠣、
『もまれ牡蠣』の漁師さんなのである。

そんな『もまれ牡蠣』の筏の中で1年間、「蒼天伝」を熟成させていただくのだ。

『もまれ牡蠣』って…

もまれ牡蠣
気仙沼の海で3年間じっくりと育てられた牡蠣で、大粒でふっくらとしていて、甘みがありキレイな乳白色をしている。
そして、その育て方にも特徴がある。

筏の中の牡蠣にはムール貝など、いろんな付着物がびっしりと付いている。

それを、70℃の湯が入った釜に10〜20秒つける。
すると付着物が取り除かれ、牡蠣だけが残る。
そうすることにより、牡蠣だけに栄養分が行き届き、たっぷりと旨味を蓄えた牡蠣になる。
その後、湾外の流れが速い場所に移動させ、もまれることによって更に旨味が凝縮される。
そうして育ったのが『もまれ牡蠣』なのだ。
もまれ牡蠣って、どんな味わい?

特別に、やっくんがひとつ剥いてくれた。

軽く水ですすぎ、パクっと一口で頂いてみる。
海の香と甘みが広がり、濃厚な旨味に口のなかが染まっていくのを感じることが出来る。
これは本当に貴重な体験。
生で食べて美味しいのはもちろん、加熱しても身が縮まないのも、この牡蠣の特徴だそうだ。

唐桑の澄んだ海の恵みをたっぷりと。
そんな海で1年間熟成された蒼天伝。

1年前にここに沈めた「蒼天伝」を引き上げてみる。

びっしりと付着した、海のあれこれ。


昨年、このイベントに参加した方の蒼天伝はこの中にあるはず。
港に戻ったら、キレイに洗って分けるのだとか。
海中貯蔵前の「蒼天伝」と飲み比べると、どんな違いがあるのか楽しみで仕方がない。

『もまれ牡蠣』の筏の中で1年間、「海の恵をしっかり授かって美味しくなあれ!」の願いを込めて。

筏の中に「蒼天伝」を沈めていく。
来年の今頃を楽しみにしつつ…

筏をあとにした船は、少し沖の方へ。
唐桑の海を楽しんでもらおうと、船長やっくんの心遣いだ。
と同時に…
やめられない、とまらない…

かっぱえびせんを手渡された。
船の上で海を眺めながらのおやつタイム⁉
それでも良いのだが、これには理由がある。

それは、このお方たちのため。
先程から筏の上に止まりながらこちらの様子を伺っているカモメやウミネコ。

船が動き出せば、もれなくついてくる。
まるで船を追いかけているようにだ。

橋の上から見れば、まるで船がカモメやウミネコに追い回されているように見えるのではなかろうか?

彼らのお目当ては「かっぱえびせん」。
えびせんを空に向かって投げれば、見事それに向かって行きキャッチするのだ。


ところで…
カモメとウミネコの違いってどこなのだろうか?
パッと見はたしかに似ているのだが、見分け方のポイントは、「くちばし」と「目」、そして「尾っぽ」。
カモメ ウミネコ
くちばし: 黄色一色 先端が黒と赤
目 : やさしめ 鋭め
尾っぽ : 白い 黒い帯あり
というような特徴があるのだとか。

どうやら、船を追ってきた大半はカモメではなくウミネコのよう。

彼らはアッサリしたもので、かっぱえびせんが無くなったとわかれば、手のひらを返したように船の周りからいなくなった。
港に戻る頃には何事もなかったかのように辺りは静かになっていた。
ただ、かっぱえびせんの空袋だけを残して。
三陸、気仙沼の海は想像以上に素晴らしかった。
「来年のことを話せば鬼が笑う…」
鬼に笑われてもかまわない。
1年後、海の恵をしっかりと蓄えた「蒼天伝」を引き上げに来たいと思います。
【気仙沼 男山本店】
住 所:宮城県気仙沼市魚町2−2−13 MAP
電 話:0226-24-8088
営業時間:10:00〜17:00
煙 草:
定休日:火曜日
駐車場:あり
男山本店のHPはコチラ
唐桑の「もまれ牡蠣」はコチラ
※定休日等、変更になっている場合がありますので、必ず事前に確認してください。
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Mail:hitoshi.o.saichan@gmail.com
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『男山本店』の魚町店舗。
ここでは、気仙沼の酒「男山」をはじめ、「美禄」、「蒼天伝」を購入することが出来る。
1930年、昭和初期に建てられたのだという木造3階建の建物なのだが、そんなに古くは見えない…
というのもこの建物、東日本大震災により被災して3階部分を残して倒壊してしまったのだとか。
今あるこの建物は、残された3階部分のパーツを手掛かりに見事再構築されたものなのだという。
普通では考えられないことを実現する。

そんな『男山本店』が2006年から行っているのが、純米酒「蒼天伝」の海中貯蔵。
気仙沼の海に1年間沈めて熟成させる取り組みを行い、体験ツアーも行われている。

ツアー参加者がそれぞれの想いが短冊に綴られる。
それを四合瓶にくくりつけ、特殊な加工が施された袋に瓶を入れて封をすれば準備完了だ。

そして向かったのは気仙沼からクルマで15分くらいのところ、唐桑町にある「宿舞根漁港」。

ここから船に乗せて熟成場所である海の中へ運ばれる。

お世話になるのは「第八十八海宝丸」と船長のやっくん…
唐桑のやっくんこと、畠山政也さん。
実はこの方、気仙沼の恵みをたっぷりと蓄えた牡蠣、
『もまれ牡蠣』の漁師さんなのである。

そんな『もまれ牡蠣』の筏の中で1年間、「蒼天伝」を熟成させていただくのだ。

『もまれ牡蠣』って…

もまれ牡蠣
気仙沼の海で3年間じっくりと育てられた牡蠣で、大粒でふっくらとしていて、甘みがありキレイな乳白色をしている。
そして、その育て方にも特徴がある。

筏の中の牡蠣にはムール貝など、いろんな付着物がびっしりと付いている。

それを、70℃の湯が入った釜に10〜20秒つける。
すると付着物が取り除かれ、牡蠣だけが残る。
そうすることにより、牡蠣だけに栄養分が行き届き、たっぷりと旨味を蓄えた牡蠣になる。
その後、湾外の流れが速い場所に移動させ、もまれることによって更に旨味が凝縮される。
そうして育ったのが『もまれ牡蠣』なのだ。
もまれ牡蠣って、どんな味わい?

特別に、やっくんがひとつ剥いてくれた。

軽く水ですすぎ、パクっと一口で頂いてみる。
海の香と甘みが広がり、濃厚な旨味に口のなかが染まっていくのを感じることが出来る。
これは本当に貴重な体験。
生で食べて美味しいのはもちろん、加熱しても身が縮まないのも、この牡蠣の特徴だそうだ。

唐桑の澄んだ海の恵みをたっぷりと。
そんな海で1年間熟成された蒼天伝。

1年前にここに沈めた「蒼天伝」を引き上げてみる。

びっしりと付着した、海のあれこれ。


昨年、このイベントに参加した方の蒼天伝はこの中にあるはず。
港に戻ったら、キレイに洗って分けるのだとか。
海中貯蔵前の「蒼天伝」と飲み比べると、どんな違いがあるのか楽しみで仕方がない。

『もまれ牡蠣』の筏の中で1年間、「海の恵をしっかり授かって美味しくなあれ!」の願いを込めて。

筏の中に「蒼天伝」を沈めていく。
来年の今頃を楽しみにしつつ…

筏をあとにした船は、少し沖の方へ。
唐桑の海を楽しんでもらおうと、船長やっくんの心遣いだ。
と同時に…
やめられない、とまらない…

かっぱえびせんを手渡された。
船の上で海を眺めながらのおやつタイム⁉
それでも良いのだが、これには理由がある。

それは、このお方たちのため。
先程から筏の上に止まりながらこちらの様子を伺っているカモメやウミネコ。

船が動き出せば、もれなくついてくる。
まるで船を追いかけているようにだ。

橋の上から見れば、まるで船がカモメやウミネコに追い回されているように見えるのではなかろうか?

彼らのお目当ては「かっぱえびせん」。
えびせんを空に向かって投げれば、見事それに向かって行きキャッチするのだ。


ところで…
カモメとウミネコの違いってどこなのだろうか?
パッと見はたしかに似ているのだが、見分け方のポイントは、「くちばし」と「目」、そして「尾っぽ」。
カモメ ウミネコ
くちばし: 黄色一色 先端が黒と赤
目 : やさしめ 鋭め
尾っぽ : 白い 黒い帯あり
というような特徴があるのだとか。

どうやら、船を追ってきた大半はカモメではなくウミネコのよう。

彼らはアッサリしたもので、かっぱえびせんが無くなったとわかれば、手のひらを返したように船の周りからいなくなった。
港に戻る頃には何事もなかったかのように辺りは静かになっていた。
ただ、かっぱえびせんの空袋だけを残して。
三陸、気仙沼の海は想像以上に素晴らしかった。
「来年のことを話せば鬼が笑う…」
鬼に笑われてもかまわない。
1年後、海の恵をしっかりと蓄えた「蒼天伝」を引き上げに来たいと思います。
【気仙沼 男山本店】
住 所:宮城県気仙沼市魚町2−2−13 MAP
電 話:0226-24-8088
営業時間:10:00〜17:00
煙 草:
定休日:火曜日
駐車場:あり
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